『火星に住むつもりかい?』
ブックレビュー ☆4つ
『火星に住むつもりかい?』 伊坂 幸太郎
犯罪を起こす前に、危険人物を捕まえて処刑する平和警察。
どうやって危険人物を見極めるか・・・密告、噂、そして捕まった事実こそが危険人物であるという証拠となる。
その制度は、魔女裁判や特高警察になぞらえられる。
近未来、それとも前時代的か。
しかし、現実に繰り返される理不尽な・卑劣な・残虐な事件を思うと、そのうち本当にこんなシステムが出来るんじゃないか、あったほうが良いんじゃないか、と思ったりする。
そんな日が来ても、驚かない。
若き日のユーミンが、「そのうち誰かが火星に降りても、もう愕かないでしょう」 と唄った程度にはね。
でも今のところまだ、誰かが火星に降りるようすもないし、僕は平和警察のない国で平和に暮らしたい、と思っている。
P.S. たびたび披露される、真壁捜査官の昆虫の生態についての話が面白かった。