『女王さまの夜食カフェ』 ~マカン・マランふたたび
ブックレビュー ☆4つ
『女王さまの夜食カフェ』 ~マカン・マランふたたび 古内 一絵
『マカン・マラン』 の続編。
昼の店の従業員のまかないを、夜食として提供するカフェ ”マカン・マラン” 。
抗議に来た人さえも 暖かく迎える店主シャールの、心をほぐしてくれる言葉と身体をいたわる料理。
今回は、季節をめぐる4話のうちの3話は親子関係がテーマになっている。
親子って、面倒だったり、やっかいだったりしても、切ることのできないものだからね。
「親子って難しいのよ。一番近くにいる他人ですもの」 シャール
悩んだり苦しんだりしている客には優しく言葉をかけ、息抜きに訪れる客はほっといてくれる。
こんな店で、「ゆっくりしていってちょうだい」 なんて言われたら本当に長居をしてしまいそうだ。
口を開けば悪態ばかりの柳田(シャールの学生時代からの友人であり、店の常連)が娘のことで悩むようすや、シャールに見せる優しさも良かった。
(恐らく自分が認めなかろうと、理解しなかろうと、娘には娘の人生があり、その責任のすべては最終的に娘自身が負っていくしかないのだから。
だとしたら、たとえし失敗すると分かっていても、その挑戦を選んだ娘を見守ってやるくらいのことしか、親にできることはないのかもしれない。) 柳田
きっと子供の成功を祈りながらも、楽観的に信じきることができないところが身に染みる。