『りかさん』
ブックレビュー ☆3つ
『りかさん』 梨木 香歩
おばあちゃんがお雛祭りにプレゼントしてくれた、”りか”と名付けられた市松人形は、ようこが欲しかったリカちゃん人形とはずいぶん違う。
なにが違うって、りかさんは話すことができるのだ。
そしてりかさんを通して、他の人形たちの声を聞くこともできる。
それってちょっと怖くないか。
オカルト? ホラー? いや、ファンタジーなのだ。
梨木さんの小説世界ではそんなこと恐れることではないのだ。
んー、でもやっぱりちょっと怖いかも。
『からくりからくさ』の蓉子さんが染織を職とするようになった素養は、このころのおばあちゃんとの交流の中で培われたもんだったのだな。