『りかさん』 文庫本
ブックレビュー ☆3つ
『りかさん』 梨木 香歩
単行本で読んだのに、なんでまた文庫本を手に取っているかというと、文庫化にあたり書き下ろされた短篇 『ミケルの庭』 が収録されているからだ。
高熱に苦しむミケルと、彼女を見守る3人の女性たち。
母親のマーガレットは短期留学中だとかで、本編には登場しない。
1歳になったばかりのミケルの意思表示は泣くか笑うかしかないが、ちゃんと周りの様子を感じ取っている。
まだ自分が何者なのかもわからない不安なミケルをいい気持にさせてくれる 「あれ」 って、りかさんのことか?
ミケルに対する3人(容子・紀久・与希子)の個性の違いが面白い。
時系列的には、『からくりからくさ』 と 『この庭に 黒いミンクの話』 の間に入る。