『はじめての』
ブックレビュー ☆4つ
『はじめての』 島本 理生・辻村 深月・宮部 みゆき・森 絵都
『はじめての』 島本 理生・辻村 深月・宮部 みゆき・森 絵都 著 水鈴社
今人気のYOASOBIと4人の直木賞作家のコラボという宣伝文句にまんまとはまって、図書館に予約。
最高峰というのは疑問だけど、現代エンターテインメントの最前線には違いないし、面白い試みだとは思う。
辻村深月さん以外は、はじめての作家さん。
”はじめての”というテーマでイメージしやすかったのか、この企画のターゲット層なのか、いずれもミドルティーンの少女が主人公(1作は人間じゃないけど)。
・島本 理生『私だけの所有者』*はじめて人をすきになったときに読む物語:気難しい所有者のもとで、少しずつ感情を持つアンドロイド
・辻村 深月『ユーレイ』*はじめて家出したときに読む物語:ある決心をして家出した少女を救ったもの
・宮部 みゆき『色違いのトランプ』*はじめて容疑者になったときに読む物語:アクシデントで発生した異次元の世界で生きることを決意する少女
・森 絵都『ヒカリノタネ』*はじめて告白したときに読む物語:現状を変えるため、過去の自分の行動を変える少女
YOASOBIとのコラボということで、ありがちな話を避けたのか、非現実的な物語がそろった。
それぞれに面白かったが(おそらくはターゲットからかなり外れたオジサンでも楽しめた)、一番好きなのは辻村さんの作品。
さて、肝心のYOASOBIの曲だけど、いまのところ聴けるのは島本さんとのコラボだけ。
聴けばすぐにYOASOBIと分かる楽曲。
なるほど、こうなるのねと納得。
他は、2022年中にはリリースされるらしい。
どんな曲(歌詞)になるのか、楽しみ。