『からくりからくさ』
ブックレビュー ☆3つ半
『からくりからくさ』 梨木 香歩
古い日本家屋で共同生活を始めた、4人の女性と人形のお話。
糸を染める蓉子、鍼灸を学ぶマーガレット、機を織る紀久、織物の図案を研究する与希子。そして市松人形のりかさん。
別々の環境で育った4人の物語が、必然のようにあるいは何かの意志が介在しているとしか思えないように繋がり収束していく。
その核となるのがりかさんだ。
因縁、宿命、すべては唐草のように繋がっていた。
オカルトやホラーじみた感じの話にもなってしまいそうなところだが、糸を染める・機を織る・野草を食す、といった自然とともにある手仕事を営む生活の中では、不思議と受け入れてしまう。
梨木さん独特の世界観、やっぱり良いなぁ、と思う。