『100万分の1回のねこ』
ブックレビュー ☆3つ半
『100万分の1回のねこ』 江國 香織、谷川 俊太郎 他
『100万回生きたねこ』という絵本のことを知ったのは数年前、もう十分すぎるほど大人の年齢になってからだ。
もしも多感な年頃に読んでいたら、少しは何かが変わっていたか。
たとえば恋愛感情の有無・男女に関係なくプレゼントした本のうちの何冊かはこの絵本に変わっていたかもしれない。
これは、『100万回生きたねこ』への、あるいは作者 佐野 洋子さんへのトリビュート短編集。
100万回のなかにはいろんな一生があったんだ。
もしかしたら、「にゃぁ」ってひとこと言って出てったっきり帰らなかった、うちにいたあのねこも。
ってことは、あいつは僕のことがきらいだったのか?
はじめて読む作家さんが多くて、こんな企画でもなければきっと読むことは無かったと思うし、それぞれの作家さんのひとことも載っていて、それも面白かった。
最後の、佐野さんと最も繋がりが深かったと思われる谷川 俊太郎さんの短い文章に一番惹かれた。