『常設展示室』
ブックレビュー ☆4つ
『常設展示室』 原田 マハ
美術館の常設展示室で、偶然目にした絵画から何かを示唆されたように、あるいは背中を押されるように、新しい一歩を踏み出す女性たちの、6つの短編集。
常設展示というコンセプトの中で、5編の主人公がアートに関わる職業、4編が40代、5編は独身、と設定に広がりが欠けるのが残念な気がするが、それでも読ませてしまうのはさすが、なのかな。
ちょっと出来すぎな話だが、ラストの「道」が一番良かった。
原田マハの術中にはまったように、涙腺が緩む。