『夜の木の下で』

ブックレビュー ☆3つ半

『夜の木の下で』 湯本 香樹実

以前から気になっていた作家だが、読むのは初めて。

「いったい何がお前をここまで運んできたのか」

幼少の頃、中学生の頃、高校生の頃、大学生の頃、あまり懐かしんでいるようには思えない六つの回想録。

僕は今年52歳になった。
外見は相応だが、年齢がまったく自分に馴染んでいない。
ついこの前まで30代だった気がするのに。
かといって、若いころに戻りたいとは思わない。
せっかくここまで来たんだもの。
さほど充実した人生を歩んできたわけではないが、一度経験すれば充分って感じだ。

なんだか寂しくなる小説だった。

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『夜の木の下で』 湯本 香樹実 著 新潮社

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