『博士の愛した数式』

ブックレビュー ☆5つ

『博士の愛した数式』 小川 洋子

博士の記憶は80分しかもたない。

交通事故で記憶が80分しかもたなくなってしまった博士と、そこへ派遣された家政婦とその息子の交流。
好きな小川洋子さんの代表作のひとつだし、気にはなっていたが何故か手が出なかった作品。

映画をAmazonプライムで観て、とても良かったので原作を読みたくなった。
ただ、映画を先に観たため、読んでいても頭の中では寺尾聡さん・深津絵里さん・吉岡秀隆さんをイメージしてしまい、想像力に制約が出来てしまったのが少し残念だったかも。
ま、それだけ配役がしっくり合っていたからだろうけど。

天才数学者の博士は、なにかにつけ数字・数学・数式をよりどころに人に対処する。
かたくなで気難しいが、その一方で何故か子供に対しては、過剰なほどの愛情と思いやりをむける。

素数を語る博士の言葉は、恋愛小説で愛を囁くヒロインのよう。
家政婦目線で状況を説明する言葉は、リズミカルに流れる詩の調べのように心地良い。

やはり小川洋子さんの文章は美しい。

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『博士の愛した数式』 小川 洋子 著 新潮社

 

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