『コンビニ人間』
ブックレビュー ☆3つ
『コンビニ人間』 村田 沙耶香
第155回 芥川賞 受賞
人は自分と考え方が異なる人間がいると居心地がよくないらしい。
感情を共有出来たり、好みが類似していると安心する。
「普通」という言葉で自分の価値観を人に押し付ける。
誰もが認める「普通」なんてどこにもないのにね。
「普通」とはどういうことか理解できず、どうしたらよいのかわからず、「普通」と思われる人の真似をして、コンビニのマニュアル通りに行動することでかろうじて人間でいられる。
唯一コンビニの店員であることだけで社会と繋がっている、コンビニのためだけに存在する女性の話。
人は何のために生きているのか。
人間の存在理由なんて案外シンプルなものかもしれない。
主人公は極端な設定だが、多かれ少なかれ似たようなところって誰にでもあると思う。